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医療問題弁護団へ入って

弁護士 牧山 秀登

私は、弁護士になって2年が過ぎたころに、当弁護団に入りました。その経緯は、とある交通事故訴訟で、裁判官から「では、次回までに原告の方で医学的な主張・立証をしてください」と言われ、「医学的な主張・立証って何をすればいいんだ?」と真っ青になり、その時はなんとか乗り切ったものの、今後医療および医療事件に関する知識も必要だなと感じたことに端を発しております。

私は、現在当弁護団の顧問をしております鈴木利廣弁護士が教えていた大学(ロースクール)の出身であり、同校では鈴木弁護士が卒業生向けに医療訴訟の授業を開講しておりましたので、さっそく受講してみました。

医療事件というと、専門的で勝訴率も低く難しく、また弁護士も医療事故被害者側と医療者側にはっきりと分かれていて、何となく自分には縁遠いものと感じておりました。しかし、授業を受けてみると、他の事件でもよく使っている民法を医療事件の特殊性に合わせて応用することで理論的に大変興味深い問題が潜んでいることがわかり、また医療事故被害者側弁護士の意義や役割というものもよくわかりました。

そこで、やりがいのある仕事ではないかと考え、当弁護団に入るに至りました。

入団後は、個別事件について、先輩方から指導を受けながら法律相談や調査を担当する一方、研究班という組織に入って、判例や学説の調査、医療者との意見交換等を行っております。

私も弁護士会等でいろいろな勉強会や委員会に入っておりますが、当弁護団の研究班はかなり活発で、熱心に活動していると思っております。例えば、私が勉強会で発表を担当した際には何人もの先輩方から内容面、形式面にわたってご指導いただき、リハーサルも行ってから本番に臨みました。他の事務所の先輩からこのような厚い指導をいただいた経験は、他ではありませんでした。

この経験を通じて、医療事件に関する知識はもちろん、人にものを伝える技術についても訓練していただいたと思っております。

上述のように、当弁護団は、現状、個別事件での活動にとどまらず、研究活動についても大変活発に活動していると感じております。

私も、諸先輩方のように、医療事件のより良い解決に向けて、力になれる弁護士になれるよう精進していきたいと思っております。

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