お知らせ(研修)
症例研究会を開催しました
2023(令和5)年5月17日、医療問題弁護団主催「症例研究会」を開催しました(報告担当弁護士:加藤貴子団員、牧山秀登団員、司会担当弁護士:工藤杏平団員)。
今回は、「医療従事者と患者の認識ギャップについての意見交換」というテーマを設定しました。
私たち弁護士としては、法律相談を受けていると、開腹手術などの侵襲性の高い手術や入院が必要な手術に比べ、「低侵襲」「日帰り」とされている手術に対しては、患者側の認識として、「簡単」「デメリットやリスクが非常に少ない」と思い込みがちであることに気付きます。しかし、「低侵襲」「日帰り」であっても当然ある程度のリスクやデメリットは存在しており、その点について、医療従事者側と患者側とで認識のギャップがあると、それがもとで後日の紛争ともなり得ます。
そこで、今回は、「低侵襲」「日帰り」などをキーワードに、医療従事者側と患者側の認識のギャップが問題となり得るケースについて、弁護士から裁判例の報告をし、参加者間で自由な意見交換を行い、相互理解を深めることが出来ました。
「症例研究会」は、医療問題弁護団の弁護士と、医療従事者(医師、薬剤師、看護師)、医療事故被害者、法律学者など、医療と医療事故に関係する多様な職種の方々にご参加いただき、毎回設定した題材に沿った裁判例報告や医学講演などを踏まえて自由闊達な議論を交わすことにより、相互理解・相互交流ひいては医療安全の向上を目的として開催しています。
今後も定期的に開催し研鑽を積んでいきたいと思います。