レーシック被害対策弁護団が、平成26年12月以降、医療法人社団翔友会(品川近視クリニック)らを相手取り追行してきた集団訴訟の一部(ドライアイの被害の類型)について、平成30年3月22日、東京地方裁判所において、説明義務違反があることを前提とした勝訴的和解が成立しました。
今回、プレスリリースを公開いたしますので、下記リンクをクリックしてください。
レーシック被害対策弁護団が、平成26年12月以降、医療法人社団翔友会(品川近視クリニック)らを相手取り追行してきた集団訴訟の一部(ドライアイの被害の類型)について、平成30年3月22日、東京地方裁判所において、説明義務違反があることを前提とした勝訴的和解が成立しました。
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平成30年3月20日、訴状検討会を開催しました。
訴状検討会とは、提訴前・申立前の訴状や申立書について提訴前の検討が十分されているか団員間で検討する会です。
今回は訴状が1通、調停申立書が1通提出され、活発な議論が交わされました。
また、経験の少ない団員にとっては、訴状の書き方や訴訟の準備について触れる貴重な機会となりました。
平成30年3月2日、71期の新人弁護士を対象として当弁護団の新人ガイダンスを行いました。
幹事長の安東団員から豊富なご経験を踏まえた医療事件のやりがい、思い出に残る医療事件のご経験などをご紹介いただきました。
新人ガイダンスには15名の新人弁護士の方々にご参加いただき、ガイダンスの後は懇親会を行い、団員と新人弁護士の方々との交流を深めました。
レーシック被害対策弁護団が、平成26年12月以降、医療法人社団翔友会(品川近視クリニック)らを相手取り追行してきた集団訴訟の一部(ドライアイの被害の類型)について、平成30年3月22日、東京地方裁判所において、説明義務違反があることを前提とした勝訴的和解が成立しました。
和解条項と、和解を踏まえた再発防止策の実施要望書について、下のリンクをクリックしてください。
レーシック被害対策弁護団
団長 弁護士 梶浦 明裕
(お問い合わせ連絡先)
東京都千代田区神田司町2-5 カツハタビル4階
東京あさひ法律事務所
電話 03-3293-3621 FAX 03-3293-3627
事務局長 弁護士 藤田 陽子
1 事件の概要
医療法人社団翔友会(東京都港区港南2丁目6番3号シントミビル8階 理事長綿引一)が開設する品川近視クリニックにおいて、十分な説明を受けないままレーシック手術を受けた4名の患者(平成19年3月~平成23年2月手術)に、術後ドライアイの遷延化の被害が生じたという事件です。
平成26年12月27日に原告12名、平成27年10月30日に原告9名がレーシックによる後遺症等被害につき損害賠償請求訴訟を提起しました(集団訴訟)。
本件は上記集団訴訟の原告のうち4名についての事件となります。
2 ドライアイ被害に関する損害賠償請求訴訟について
(1)本件の経緯
平成25年12月4日 | 消費者庁による発表「レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けましょう!」※1 |
平成25年12月21日 | 当弁護団によるホットライン第1弾実施 |
平成26年12月17日 | 第1次提訴(原告12名。うち本件原告3名) |
平成26年12月21日 | 当弁護団によるホットライン実施第2弾 同日までの電話総数のうち約60%が品川近視クリニックに関する相談。 |
平成27年10月30日 | 第2次提訴(原告9名。うち本件原告1名) |
※1 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/131204kouhyou_1.pdf
平成29年 5月25日 | 証人尋問(医師2名)、本人尋問(本件原告4名全員) |
平成30年 3月22日 | 本件原告4名について和解成立 |
(2)訴訟の争点-説明義務違反
ドライアイは、レーシック手術の合併症であり、通常術後半年程度で改善することが多いが、原告は、半年を超えてドライアイが遷延化したり、人工涙液の点眼では改善せず、涙点プラグの挿入が必要になる場合がある。
そのため、医師には、レーシック手術の合併症として、術後生じたドライアイの中にはドライアイが遷延化する場合や、人工涙液の点眼では改善せず、涙点プラグの挿入という外科的治療が必要になる場合があることを説明すべき注意義務がある。
にもかかわらず、上記説明を行わなかった注意義務違反の過失が認められる。
(3)和解条項
詳細は和解条項<PDF>のとおりです。
なお、本件は、レーシック手術による被害に関する損害賠償請求訴訟(集団訴訟)初の解決(勝訴的和解)事案となります。
本件和解は、レーシック手術におけるドライアイを始めとする合併症の術前説明(インフォームド・コンセント)のありかたについて、今後レーシック手術を受ける患者が誤解することなく正しい理解のもと実施されることを求めるものです。
レーシック手術についてはその数の減少が報道されていますが、原告らも当弁護団も、レーシック手術そのものを否定するものではありません。問題は、医療行為としては考え難い極端に合理化された手術や前提としての説明の在り方にあると考えています。
この点、品川近視クリニックで行われた術前説明等が患者の誤解を招くものであることは、裁判所(裁判長)からも厳しく指摘ないし追及されたところでもあります。
本件和解は、合併症等についての詳しい説明なしに、レーシック手術の利点ばかりを強調し、過度な誘引行為がなされた営利主義的なレーシック手術に警鐘をならし、抑止する画期的なものであると考えます。
3 医療法人社団翔友会への要請書提出
本件和解条項に基づき、医療法人社団翔友会へ要請書(和解を踏まえた再発防止策の実施要望書<PDF>)を本年3月21日に発送しました(本日3月22日10時過ぎに到着)。
要望書には本件問題点(裁判所の指摘)が集約されています。
要請書は、上記レーシック手術におけるドライアイを始めとする合併症の術前説明(インフォームド・コンセント)のありかたについて、今後レーシック手術を受ける患者が誤解することなく正しい理解のもと実施されることを求める内容です。
4 レーシック被害電話相談
他にも多数の被害者がいると考えられるため、レーシック手術を受け、後遺症・合併症が生じたなどの健康被害を生じた方を対象に、引き続き無料電話相談を実施しています。相談者の居住地域、相手方医療機関は限定しません。
医療問題弁護団 電話番号:03-5698-8544
http://www.iryo-bengo.com/
以上
公正な医療事故調査制度の確立を求めて チラシ配布・署名活動を 次の日時・場所で,行いました。
<第100弾>2018年4月8日(日)16:00~17:00
場所 JR山手線 駒込駅 南口付近
東京三弁護士会医療関係事件検討協議会が開催されました(団員が委員として参加)
去る2017年10月28日、下記内容で医療問題弁護団40周年記念シンポジウムを開催しました。
今回、当日の資料を公開いたしますので,末尾のリンクをクリックしてください。
記
日時:2017年10月28日(土)13:00~17:00
(開場12:30)
場所:イイノホール 4階 ルームA
私たち医療問題弁護団は、医療被害の救済・医療事故再発防止・患者の権利確立を目的として1977年に結成して以来、40周年を迎えました。
40年前、私たちは「医療に巣くう病根」を4つの視点から分析しました。40年後の現在、私たちが取り組んできた医療被害救済に関する事件活動もふまえ、医療現場に残された現代的課題について、団員の報告やパネルディスカッションを通じて探っていきたいと思います。
[プログラム]
第1部 報告 (13:00~14:30)
医療問題弁護団からの報告
~40年前の「医療に巣くう病根」と、医療現場の現代的課題~
第2部 パネルディスカッション (14:45~17:00 質疑応答含む)
<パネリスト>
豊田郁子氏(患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋 理事長)
浦松雅史氏(東京医科大学医学部 医療の質・安全管理学分野 専任講師)
隈本邦彦氏(江戸川大学教授)
児玉安司氏(弁護士)
安原幸彦(弁護士 医療問題弁護団代表)
<コーディネーター>
安東宏三氏(弁護士 医療問題弁護団幹事長)
弁護士 武田 志穂
平成25年、腰部脊柱管狭窄症による足のしびれ、歩行困難を改善するために受けた腰部脊柱管固定術を受けた患者さんが、出血性ショックで亡くなりました。
ご本人はもちろんご遺族も死亡する危険性のある手術だとは医師から説明を受けていなかったため、ご遺族は大変なショックを受け、深い悲しみに包まれました。医療機関が自主的に異常死として届け出たため、捜査機関の捜査が開始されました。ご遺族は早く担当医から何が起こったのか説明を受けたいと強く願っていましたが、医療機関の回答はカルテ等を警察が管理しており病院にはないため説明ができない、カルテが警察から戻ってきたら回答するというものでした。
ご遺族は皆温厚な方々であり、医療機関を信じて待ち続けました。
しかし、患者の死亡から1年経っても、2年経っても、医療機関からは何の連絡もありません。ご遺族は警察から「医療機関が患者に説明するために必要だというならば、カルテはいつでもお返しします」という話も聞き、医療機関に対して不信感を抱き始めました。患者の葬儀の際にも、医療機関からはお詫びの一言もありませんでした。
そこでご遺族らはやむなく、弁護士を依頼することにしました。
私が代理人弁護士として医療機関に遺族らへの説明を求めると、「死因がわからないので説明できない」との回答でした。
現在は死因・身元調査法が改正され、遺族に対して死亡原因が開示される道が開けたようですが、残念ながら本件の患者は新法移行前でしたので、ご遺族が死因を把握する道は閉ざされていました。
私は解剖担当医に連絡を取りましたが、捜査の秘密を理由に説明を断られました。
その後本件の担当検察官に説明を求めましたが、司法解剖の結果は開示されず、わずか3~4行程度の結果の読み上げだけでした。
その結果を医療機関に伝えると、鑑定書が入手できていないなら死因が不明瞭なままであり説明ができない、説明会の開催には応じられないとの回答でした。
家族の予期せぬ死を迎えた遺族が、担当医から説明を受けたいと思うのは至極当然の願いだと思います。
遺族が知りたいのは正確な死因だけではありません。家族がどのように死を迎えたのか、医療機関がどのような治療を施してくれたのか、担当医が家族の救命のためにどれだけ懸命に尽くしてくれたのか。
死因が不明であることを理由に、患者の予期せぬ死後担当医または医療機関が一切遺族に対して直接説明を行わないという対応は、どう考えても不適切極まりないとしか言いようがありません。
平成30年2月現在、再度医療機関に対して説明会の開催を要求しているところです。医療機関の誠実な対応を願っています。
平成29年12月20日、石川団員、三浦団員、森団員に解決事件のご報告をいただきました。
いずれも訴訟において勝訴的和解が成立した事案であり、団員の今後の医療事件に関する弁護活動にとって有意義な情報・ご経験の提供がなされ、団員間の活発な質疑応答がなされました。