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お知らせ(事件報告・提言)

医療版事故調:緊急公開シンポの報告

2008年8月4日、下記のとおり「医療版事故調:緊急公開シンポ」を開催し、302名の来場者がありました(当日受付にて記名または名刺交換をされた方)。
同シンポの配付資料、シンポジストのスライド・レジュメを公開し、アンケート結果を報告します。


医療版事故調:緊急公開シンポ
~医療事故の再発防止、医療と患者の信頼関係の確立をめざして~

【日時】 2008年8月4日(月) 18時~20時30分
【場所】 明治大学アカデミーホール

医療事故対策のための議論がいよいよ国会(次期臨時国会)で始まりそうです。

厚労省は、昨年4月「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」を設置し、本年6月20日「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」を公表しました。

一方、民主党も本年6月「医療に係る情報の提供、相談支援及び紛争の適正な解決の促進並びに医療事故等の再発防止のための医療法等の一部を改正する法律(仮称)案骨子試案」(通称・患者支援法案)及び「医療事故等による死亡等(高度障害等を含む)の原因究明制度(案)」を発表しました。

現在の医療版事故調をめぐる議論の最大の論点は、医療過誤の法的責任とりわけ刑事責任のあり方をめぐる議論です。

8月下旬にも始まると予想される臨時国会に先がけて、医療版事故調について討論いたします。関心のある方は、どなたでもご参加下さい(参加費無料)。


配付資料 PDF版はこちら(シンポジスト)

厚労省医政局総務課医療安全推進室長
 佐原 康之 氏PDF版
自由民主党参議院議員古川 俊治 氏PDF版
大綱案・第三次試案と民主党案との相違点
 木下 正一郎PDF版
患者の視点で医療安全を考える連絡協議会準備会
 勝村 久司 氏PDF版
自治医科大学麻酔科学・集中治療医学講座主任教授
 瀬尾 憲正 氏PDF版
明治大学法科大学院教授(刑事法学)清水  真 氏PDF版
共 催医療問題弁護団 http://www.iryo-bengo.com/
明治大学法科大学院医事法センター
協 賛京都医療過誤弁護団、長野県医療問題弁護団
医療事故研究会(東京)、神奈川医療問題弁護団
松戸医療事故フォーラム、札幌医療事故問題研究会
岡山医療問題研究会、九州・山口医療問題研究会
患者の権利オンブズマン東京、埼玉医療問題弁護団
連絡先すずかけ法律事務所 弁護士 鈴木利廣

アンケート結果

1回収数 43通    
2所属   
 医療事故被害者5司法修習生2
 医療従事者・医療関係者13研究者1
 医療従事者・オンブズマン1マスコミ1
 医療従事者・大学院1大学生・大学院生4
 明大学生・法科大学院3明大関係者ほか2
 日本医療機能評価機構1日本倫理学会、生命倫理学会1
 大学教授・教員2その他2
3シンポを何で知ったか 
 弁護団員8
 HP7
 案内はがき6
 メールで3
 知人から、チラシ各2
 院内での掲示、学会事務局、原告の会から、取材過程で、
新聞、明大ローの学生から、友人から
各1
4感想・意見
 多角的意見を聞けたことへの評価臨床、被害者、弁護士、議員、厚労省などの様々な立場の人間が参加し議論することで多角的な議論ができたと思う。有意義であり、自らより深く考えていく必要性を感じた。(医療従事者(複数)、医療事故被害者、大学院生、司法修習生ほか)民主党案を取り上げた点、医療界以外からもシンポジストを招聘している点、感情的な議論ではなく、しっかりした法の理解に基づいている点において7月28日の日本医学会主催のものより優れた高度な企画で見応えがあった(マスコミほか)どのような論点になっているのか不明の部分が整理できた医師の自己保身第1の姿勢は疑問。透明性を期待出来ない。医療者が刑事責任をおそれ、消極的態度をとっているのでは何も進まない。(医療事故事故被害者ほか)勝村氏の講演がよかった(医療従事者、医療事故被害者)タイムリー。続けていただき、経過を公開して欲しい会場の広さや立地、机や椅子も都合がよかった古川議員の「これは医療人のための制度」という発言が本質と感じる。それでは、医療事故被害者の人権が守られない。中立・公正なシステムになりますように。(医療事故被害者)麻酔学会・救急学会との乖離、不一致を感じた。大多数の外科医(一般、勤務医)は声なき声として、本大綱案の早期実現を望んでいると考える(医療従事者)医療行為の刑事訴追は明らかな犯罪行為に限るべきであり、異状死は医療界の中での自浄システムを構築して検討すべき(医療従事者)瀬尾先生が、法律家と医師にとって医療ミス、リスクなどの概念が違うとおっしゃるように、議論しようにも「ことば」「概念」が違っては議論のしようがない。民主党の人間がいなかったのが残念(医療従事者ほか)一部パネリストのパワポのコピーを配布していただけると有り難いもっと時間をかけて!(医療事故被害者)論点が散漫になった印象あり(医療従事者)新聞記事のシンポの案内では、医療事故とだけあったので何がメインテーマかはっきりしなかった。
5事故調への意見
 厚労省案では現状を変えられないと思う。医師法21条削除で、医師側が納得するのであれば、民主党案もよい(医療事故被害者)厚労省案は医療者側に甘い案。民主党案は詳しく分からない(医療事故被害者)民主党案は調査が第三者で行われることが担保されていない。ぜひ、現行の大綱案でいってほしい(医療事故被害者)もっと情報公開と国民による徹底した議論を(医療事故被害者)基本的考え方は厚労省案でよい。対象に後遺障害を加える(医療従事者)厚労省案で早期に一歩でも前に進むべき。早く実現を(医療従事者ほか)厚労省案は、事故調査と再発防止をごっちゃにしており運用によっては巨大な権力を持つが故に反対。とはいえ民主党案はあまりに不十分(医療従事者)(予算面を含めて)しっかりした議論の上進めてほしい(医療従事者(複数))両者は本質的に大きく異ならないと思われる(医療従事者)刑事訴追の線引きがあいまいで厚労省案には反対。医師の責任追及ばかりでなく医療者を育てていくインセンティブ制度(危険な職種に対してrewardを十分に行う)を政府(厚労省)は導入すべき(医療従事者)まだ十分に理解できていない(医療関係者)厚労省案:警察への通知、医師法21条の改正の方向が一番の問題。医師の自律的組織が再教育を中心とする行政処分を行うことを一方で目指すべき。制度が機能するための人材養成。予算を十分につけることを本気で考えて欲しい。 民主党案:そもそも目的が紛争解決で、遺族が申し出たものだけが対象なので同意出来ない。医師法21条本来の趣旨もあるので、民主党案は疑問(医療関係者)より第三者性を保つように医療版事故調を進めて欲しいどの案も一長一短刑事責任について、調査と刑事処分を切り離して調査を進めるのを原則とし、重過失や隠蔽などミスの程度が重い場合を問題とすべき21条の全廃には反対。全て免責というDrの反応は幼稚。まだ国民は充分にこの議論に加われていない。Drと法律家だけのクローズドな議論で拙速な法案化は望ましくない。今の案はDrの保身のような印象を受ける民主党案:科学的原因究明で医療安全支援センターの名があがっているが、現時点では設置は努力規定だったと思う。また再発防止を行う指定分析機関についてもそれらを対応できる機関について十分議論し、箱ものの設置だけにならないよう注意が必要と感じる(評価機構の関与の有無も含む)情報をオープンにすることと免責は不可分なのか、疑問が残る。解剖医を増やす手当が必要新制度にかかるコスト(人的・財政的)相応の効果がでるような改善ができるともっとよい
6その他
 大変意義のあるシンポであった法律に興味があり、参加した。とても興味深く、次からの臨床に役立てていきたい(医療従事者)今後の動向について強く関心を持っている。引き続き情報提供いただきたい。今後もシンポを開いて欲しい責任追及なくして再発防止はあり得ないと思う。患者が死亡した場合、医療行為の中身を検証すると、医学的なことが全く行われていないことがある。この場合、刑事責任を負うのはあたりまえである(医療事故被害者)「過失を問わず、有害事象の重大度」で報告義務を課し、消安法と同程度の罰則を設けることを提案する(医療事故被害者)21条の失効化が厚労省局長通達で可能なら、早期実施を(医療従事者)低医療政策の下、医療の現場は惨めな状況で医療者が安心安全に働けない状況で、患者の安全は守られない。根本的な改革は厚労省が医療の現場を改革することだと思う。義務教育で健康教育も必要(医療関係者)時間が少ないので、さまざまな問題点や対立点が整理できない患者・家族の痛みの軽減を事故調の目的の第一義として欲しい個人の責任を追及することと、再発防止策を効果的にとることをうまく両立させるにはどのようにしたらよいかということは非常に難しい。東京女子医大病院での患者側との協同的な医療事故調査委員会のような制度が可能であれば望ましいと考えているのであるが、難しいでしょうか?実効性あるよい制度を(マスコミ)法律がわかるだけ、医療がわかるだけの専門家ではだめなのだなと。本当に専門的に両方がわかる人が必要だと思う可能であれば、分科会(制度設計、被害事例、民刑手続きor他制度の関係etc)で議論を深めることができるとよいと思う医師の既得特権益を守らんとするのであれば問題
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