Q1.医療ミスを疑ったら相談からの流れ

昨日、私の父が手術中に急変し、突然、亡くなりました。
ひょっとしたら、医療ミスではないかと思うのですが、まず何をすればよいでしょうか

1.はじめに

相談者の方の事案は、大きく分けて、2つの場合が考えられます。

1つは、手術や病気自体の危険性が原因で急変してしまった場合です。医療には限界があり、100%安全な手術はありませんし、もともと持っていた病気が悪化することもありえます。

もう1つは、通常の医師であればしないようなことを執刀医がしてしまった、つまり、術中にミスがあった場合です。いわゆる医療ミスです。

2.情報の収集

医療ミスがあったかどうかを見極めるためには、まず、情報の収集と整理が必要です。

現実に行われた医療行為(いつ、何が行われたか)をできるだけ正確にメモに残しましょう。特に、担当医から受けた説明は、その言葉のままに記録しておくと良いでしょう。

また、一般に、カルテ等の診療記録は患者側の手元にはなく、すべての資料が医療側に存在するのが通常ですので、カルテを取得(開示)することも必要となります(カルテ開示について、詳しくは「Q3.調査とは」をご参照ください。)。

次に、患者側から医療機関側に積極的に説明を求めるという方法があります。まだ医療ミスがあったかどうかわからない段階ですので、医療機関側の責任を追及するのではなく、誠意ある説明を求めていくことになります。説明の内容は、申し入れの上録音した方が良いでしょう。なお、医療機関側による正式な「説明会」について、詳しくは、「Q5.医療機関による説明(説明会)」をご参照ください。

さらに、相談者の方の事案は前日お父様が亡くなっておられるということですので、その死因を解明するために、解剖をお勧めします。死因が不明であると、医療機関側に責任があるか否かを明らかにできない場合があります。近年は、医療機関で「事故調査委員会」を設置し、事故原因について調査する例もみられるようになっています。平成27年10月1日からは、「医療事故調査制度」が始まりました。「医療事故調査制度」とは、医療事故死亡事例が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげる制度です。医療事故調査制度が再発防止に向けて実効的に機能するかについては、今後の動向を注視していく必要があります。医療問題弁護団では、医療事故調査制度で適切に原因究明や遺族への対応がなされるように、医療機関への申し入れなどの支援をしています(弁護士に委任している場合、詳しくは、担当弁護士にご相談ください。)。

3.弁護士への相談

もし、ご自身で情報収集するのが不安であったり、どうすれば良いか分からないのであれば、医療事件を取り扱っている弁護士に相談し、具体的なアドバイスを受けるとよいでしょう。医療問題弁護団でも、医療事故の法律相談を行っています。

相談からの流れ